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仙台ぐらし [エッセイ]

初伊坂作品がこのエッセイ集となった。

本書前半は、「○○が多すぎる」というタイトルでつなげたエッセイ。北朝鮮のミサイル発射に怯え、本物のお化けや怪人が混じっているのではと、未だにお化け屋敷や戦隊物ショーを苦手とする著者は、かなりの心配性で、それだけでユニークな人物像が浮かんできました。そこには大好きな北杜夫のような気質も感じられ、親しみを覚えた。伊坂作品は未読だが、おそらくそのような気質が生んだ作品もあるのではないだろうか。

後半は、東日本大震災発災後の心情を綴ったエッセイや、被災地のボランティアをモデルとした短編作品が収録されている。今にして思うと、37年周期で発生してきた宮城県沖地震が、2015年くらいに起こるのではないかという著者の危惧が奇しくも的中してしまったわけで、心配性な著者のことを面白がるだけでは済まされないエッセイとなった。

杞憂を笑う者は天災に泣くということか。

仙台ぐらし (集英社文庫)

仙台ぐらし (集英社文庫)

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2015/06/25
  • メディア: 文庫


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つぼねのカトリーヌ The cream of the notes 3 [エッセイ]

森先生が提示する視点にはハッとさせられるものが多い。内容的には賛同できるもの、疑問を呈するもの様々であるが、6割以上はなるほどと頷けるので、考えるきっかけを与えてもらえるという意味で、森先生のエッセイは愛読している。

今回、一番印象に残ったのは、読書感想のネット投稿に関する苦言だった。それは、「思考を、熟成させることなく表に吐き出」すため「最初から他者を意識した言葉、他者を意識した思考しかできなくなる。このため、多くの人の言葉や思考が、充分に熟成していない、薄っぺらなものになっている」(P.89)というもの。

何とも耳が痛いことをおっしゃる。


つぼねのカトリーヌ The cream of the notes 3 (講談社文庫)

つぼねのカトリーヌ The cream of the notes 3 (講談社文庫)

  • 作者: 森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/12/12
  • メディア: 文庫




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