HELLO WORLD [SF]
海外SFハンドブック [SF]
SFが好きだなどと公言しながらも、掲載されている作品群をながめると、読んでいない作品が多くて凹んでしまった。
でも、未読の作品が作品が多いということは、まだまだ読書する楽しみが残っているとポジティブにとらえることもできるかな(笑)
特に『ミニタリーSF略史』の章が興味深かった。ミニタリーSFの走りであるハイラインの『宇宙の戦士』などが陸戦主体の物語であるのに対して、90年代に入ると、宇宙艦隊ものが主流になり、21世紀に入ると、同時多発テロや中東での戦争を背景に、再び陸戦ものが増えてきたように、SFはその時々の時代背景反映して変遷してきているのだと気付かされる。
私にとっては、渺茫たるSFの海へと漕ぎ出す際の羅針盤の役目を担う座右の書となってくれそうである。
因みに、この本で紹介されていたジョージ・アレック・エフィンジャー著『重力の衰えるとき』が面白そうだったので、積読本に追加した。
久しぶりに書く感想 [SF]
久しぶりに読書メーターに感想をアップした。本はもう1か月ほど前に読み終えた『富士学校まめたん研究分室』。
わずか二百数十字の感想を書くだけで、ずいぶん時間を要してしまって疲れてしまいました(笑)
己の文才のなさに改めて気づかされた次第です(泣)。
エンダーのゲーム [SF]
書店の片隅にこの『エンダーのゲーム 入門ガイド』がひっそりと積まれていたので、いただいてきました。(笑)
ギャビン・フッド監督によって映画化されて、新春早々の1月18日から劇場公開されるこの作品。
個人的には自分が読んだSFの中でも一二を争うほど好きな作品なので、公開がとても楽しみ。
最近ではTVのスポットで予告編が放送されるようになり、それを観る限りではスピード感あふれる仕上がりとなっているようなので、否が応でも期待が膨らみます!
ほしのこえ The voices of a distant star [SF]
ほしのこえ The voices of a distant star (MF文庫ダ・ヴィンチ)
- 作者: 新海 誠
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2009/12/23
- メディア: 文庫
宇宙英雄ローダン・シリーズの発売日 [SF]
ハルトの巨人たち (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-412 宇宙英雄ローダン・シリーズ 412) (ハヤカワ文庫SF)
- 作者: クルト・マール
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/11/10
- メディア: 文庫
プロバビリティ・サン@ナンシー・クレス [SF]
『プロバビリティ・ムーン』にはじまる3部作の2作目。
「世界(ワールド)」と呼ばれる惑星の山中で発見された謎の人工物が、地球人の敵である異星種族「フォーラー」との戦いにおいて、戦局を大きく左右するような防御兵器でもあり、攻撃兵器ともなりうるものであることが分かってきて、これを地球へと運ぶ作戦が発動された。
一方、世界(ワールド)人は、この人工物が地下に存在する環境下で進化してきたことから、永い間その影響を受けてきたことにより、ある種のテレパシー能力のようなものを身につけていた。これを彼らは「共有現実」と呼んでいる。
したがって、この人工物を地球人が宇宙空間に持ち出したことにより、世界(ワールド)人たちは「共有現実」を失うことになり、その社会に大きな混乱を引き起こすことになった。
世界(ワールド)人の起源とされる〈はじまりの花〉とは何か?、「フォーラー」は何故執拗に地球人に攻撃を仕掛けてくるのか等々、いくつもの謎をはらんだまま、物語は最終巻である『プロバビリティ・スペース』へと続く。
「確率子」とか「カラビ=ヤウ空間」の説明が出てくる最後のあたりは、ハードSFという感じでなかなかすんなりとは理解できなかった。
今回の物語の中心人物の一人である物理学者のトーマス・カペロは、すぐに激昂する性格で、どうも好きになれなかったが、妻のかたきとして激しい憎悪の感情を抱いている「フォーラー」の捕虜との間で、筆談によりコミュニケーションを図り、人工物の謎を解明していくあたりは面白かった。
独裁者への道@クナイフェル&マール [SF]
しかしながら、この巻で注目すべきは、その内容ではなく、巻末に掲載された「ローダンを愛するみなさんへ」と題した依光隆氏の寄稿である。
ここしばらく、依光氏の挿画の新作を見ることができず、体調でも崩されているのかなと思っていたが、やはりそのようで、再び絵筆を取ることを断念されたという。
依光氏の挿画により、文章を読むだけではなかなか想像できなかった異星人たちの姿を、明確にイメージすることができて、その類い希なる筆致により、ローダンシリーズを読み進める上で、たいへんな助けとなり、また、その表紙を飾るその絵によってとっても興味をかき立てられた。
これで依光氏が描く挿画ともお別れかと思うと、一抹の寂しさを禁じ得ないが、「このたび、ついにローダンの宇宙船から降りることになりました」という氏の言葉を胸におさめて、38年間、本当にありがとうございましたという感謝の言葉を贈りたい。
ノーストリリア@コードウェイナー・スミス [SF]
このブログを立ち上げたのはいいけれど、ほとんど更新しないままになっていたので、今年は心を入れ替えて、もう少しまめに更新しようと思っています。
さて、このコードウェイナー・スミスによる「人類補完機構シリーズ」が、ヱヴァンゲリオンの「人類補完計画」の元ネタになっているという話は聞いていたので、気にはなっていたのだけれど、ようやく手にする機会に恵まれた。(といっても何のことはない、書店で手には取ってみるけれど、そのちょっとした厚味(ページ数)になかなか手を出しづらかっただけだけれど・・・)
この手のSFを読み始めるときは、まず、その世界を構成する基本情報を把握しなければならないのだが、物語の発端の惑星ノーストリリア(これはどうやら『オールド・ノース・オーストラリア』の略称らしい)では、いや、この時代の人類は、『キトる』と『サベる』という能力(これは「聞きとる」と「しゃべる」という単語がなまったもの)、つまりはテレパシーの能力を持つということがわかった。しかしながら、本作の主人公の少年ロッド・マクバンは、この能力がうまく使えないことで悩みを抱えている。
惑星ノーストリリアでは、巨大羊(その体重が100トンにも達するというから、羊とは別の生き物ではないかと思ったのだが、ノーストリリアに連れてこられた羊たちは、病気にかかる結果、そのように巨大になるらしい。そして、その巨大羊からは、人間の寿命を無制限に延長できるサンタクララ薬、別名『ストルーン』が採れて、それがノーストリリアに巨万の富をもたらしている。
ロッド・マクバンが地球を買い取ったことから物語は急展開する。ロッドが地球に降り立ち、猫人や鳥人と行動を共にし、命を狙われるという大冒険を経験することになる。
しかしながら、最後まで読み終えて、結局、ロッド・マクバンは地球まで何をしに行ったのか?、何がしたかったのか?ということが良く分からなかったというのが私の感想になってしまう。いつかもう一度読み返してみて、理解に努めることとしよう。
もっとも、「人類補完機構シリーズ」と銘打たれているのだから、他の短編を読めば、もっとこの作品の世界は理解できるのかもしれないので、そちらに挑戦してみようか。
ゼロ守護者 [SF]
そもそもこのシリーズ、学生時代に友人に勧められて読み始めたのであるが、以来20年以上にわたって読み続けていることになる。
ほぼ毎月1巻づつ刊行されており、この物語を読み続けることは私のライフワークだと思ってはいるが、何しろ本国ドイツでは、まだこのシリーズの刊行が続いているものだから、物語ははるか宇宙のかなたまで進んでいるはずであるが、翻訳の方が追いつかない。
一生かかっても読み終わらないだろうなというあきらめ感も抱いていたところ、毎巻、最後に載っている訳者による小文「あとがきにかえて」の中で、2010年1月から月2回、上旬と下旬の刊行になるといううれしいアナウンスがなされていた。これで一生のうちに読み終えることができる、かも?
それはさて置き、本巻の内容であるが、ツグマーコン人のゼロ守護者にとらわれの身となっていた闇のスペシャリスト12人の一人プィを助け出すために、同じ闇のスペシャリストのオルウらが救出作戦を敢行。どうにか無事にプィを救出することができたというものなのだが、それよりも、本巻の物語の最後の最後に、ハルト人のイホ・トロトが子どもを宿しているという驚愕の事実が明るみになった。
そういえば、確かハルト人は雌雄同体だという設定だったように記憶しているから、さもありなん、というところなのだが、これには心底驚いた。近々ジュニア誕生!ということになるのだろうか?これまた楽しみである。
ゼロ守護者 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-365 宇宙英雄ローダン・シリーズ 365) (ハヤカワ文庫SF)
- 作者: H・G・エーヴェルス
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/10/10
- メディア: 文庫